埼玉県でリウマチ専門クリニックをさせて頂いている、佐藤理仁と申します。
僕らのクリニックでご勤務頂いている先生方でも、今年リウマチ専門医試験を受けられる先生が3人いらっしゃいます。そんなこれからリウマチ専門医試験を受けられる皆さまに、僕や他の先生方も含めた試験の体験談などをお伝えし、少しでも試験対策のお役に立てればと思います(*^^*)



リウマチ専門医試験のバイブル「リウマチ専門医試験 例題と解説」

リウマチ専門医試験対策で、何よりも大切なのがリウマチ学会様から出版されている
リウマチ専門医試験 例題と解説」の本になります。(アマゾンにリンクします)
これは今までのリウマチ専門医試験で出題された問題の中から、大切だと思われる問題が抜粋された物になります。
2年に1回更新されて、現在は「改定第9版」になりますので、これは絶対に購入してくださいね。 

僕の感覚だと7割、他の受験された先生方の感覚でも6割位はこの過去問集で見た事のある問題が出題されていました。この過去問集をしっかり確認し、知識などを確認していく事が必勝パターンだと思います。

試験対策は数か月前から

「なんだ、過去問さえ完璧にしとけば大丈夫!」確かにそうなんですが、この過去問集は結構ボリュームがあって、現在の改定第9版で400ページ以上、全部で528問もあります。
改めて内容を見てみると、内科系の先生にとっては「リウマチ性疾患の外科治療」の領域、整形外科の先生にとっては「リウマチ以外の膠原病」の領域は普段関わりが少ない分、改めて確認をする必要が出てくるかもしれません。
また普段リウマチ外来ばかりやっている僕には、「解剖や免疫学などの基礎分野」も恥ずかしながら分からない事が多くて大変でした。

問題数が多い事や、普段の診療以外で使わない知識の呼び起こしも必要なことから、数か月前から少しずつ過去問にとりかかられると良いのかなと思います。

リウマチ専門医試験の体験談

問題数は100問で、制限時間は120分です。
先程も少しお書きしましたが、全体の2/3は過去問と同じ問題でサクサク解けます。ですから試験時間は十分だと思います。僕自身も時間が余りましたし、早く終わって途中退席されている先生もいらっしゃいました。

残りの1/3は新作の問題になりますが、こちらは正直難しいものも含まれていました。なので、過去問を完璧にして、過去問と同じ2/3をしっかり取りこぼしなく正解する事が大切だと思います。

どの位の合格率なの?

2015年度 126名受験→102名合格(合格率81.0%)
2016年度 129名受験→106名合格(合格率82.2%)
2018年度 159名受験→130名合格 (合格率81.8%)
その他の年の合格率も、80%台前半で推移をしているようです。

ちなみに、他のサブスペシャリティー領域専門医の平均合格率が70-80%なので、リウマチ専門医の合格率は大体平均的なようですね。

内科医?整形医?

リウマチ専門医試験の特徴として、内科の先生と整形外科の先生が受験されます。問題自体はみんな共通なのですが、ご自分が内科医か整形外科医かを選ぶ所があります。
あくまで個人的な考えですが、ここで少し配点などを考慮して頂いているのかもしれませんね。リウマチ学会の優しいご配慮に感謝です。

皆様の合格をお祈りしています!
2020年の時点で、リウマチ専門医が全国で4878名いらっしゃいます。しかし、実際にリウマチを現在の主たる診療とされている先生は1058名しかいないと報告されています。
<出典:医師・歯科医師・薬剤師調査(平成22年)>
そのため、リウマチ専門医の診療を受けらずお困りの患者さんを沢山みてきました。皆様が無事リウマチ専門医試験に合格され、より多くのリウマチ患者さんが専門医の診療を受けられるようなる事を願っております。